まずは社長の近藤が自身の想いや会社が目指す未来を言語化しました。その言葉をもとに経営陣を交え会社についての議論を展開。
そうして策定した経営理念をビジョンマップというA3用紙に落としこみました。
ビジョンマップとは、会社の理念を凝縮した未来への地図のようなものです。
新明工業は世の中にどんな価値を提供し、どんな未来を実現するのか。
そのために守るべき価値観はなにか。
会社の在り方を全てA3用紙1枚にまとめていきます。
新明工業は、戦前から培ってきた技術力やトヨタ自動車との協力関係があるため、これから先も磐石だと思われがちです。
しかし、100年に1度の大変革にはシフトチェンジが求められます。
その変化に対応するにはメンバーの価値観を統一することが必要不可欠。
そう感じたからこそ、経営理念を再定義して明文化するビジョンマップが必要だと考えました。
価値観を表すVALUEには「共にやりきる。」という言葉を策定しました。背中を押すような言葉が使われるケースが多い経営理念に、言い聞かせる口調の言葉をあえて使用したのは、“新明工業は本気で変わる”という決意の表明であり、社員だけでなく“経営陣も変わる”という意思を示すためです。VALUEを体現する条件には「逃げない。」「人のせいにしない。」「自分ファーストで考えない。」を設定。これは、経営陣が共通して感じていた会社の課題を解決に導く行動指針です。どんな時でも自責で行動し、お客様目線に立ち、価値提供に全力を尽くすという、忘れてはならない考えを詰め込みました。
「ひと昔前と比べ、お客様に提供する価値のレベルが落ちているのではないか?」議論に上がったこの言葉が存在価値を意味するMISSIONのきっかけとなりました。新明工業が提供するべき価値を「①基本価値」「②期待価値」「③願望価値」「④予想外価値」の4つに分類。その中でも“お客様は期待していないが、提供されると強く満足を感じるもの”という意味の「③願望価値」を最低ラインに設定し、さらにその上の「④予想外価値」を目指すことが当たり前の文化をつくっていくと決意しました。
経営陣は、目指すべき未来となるVISIONを決める議論で次のような結論を出しました。「伝統と革新、2つを両立して初めてこれからの時代を生き抜くことができる」と。ただ革新するのではなく、長い歴史で築いてきた伝統は大切にした上で、変えるべきだと判断したところを変えていくのが新明工業の走るべき道。その結論を、「日本が誇り世界も誇る。変わらない想いと変わり続ける技術。新時代をつくるモノづくり屋。」というVISIONに込めました。このVISIONと、独自の“三方よし”を大切に、大変革期に負けない会社をつくっていきます。